ウリ類(正確にはウリ科)の中にはキュウリ・カボチャ・スイカ・メロンなどのように我々の生活上極めて重要な種類がある。それだけではなく、消費が地域的に限定されているもの、かつてはかなり消費されていたが、今は昔日の面影がなくなったもの、逆に新たに注目され始めたものなど多様である。ここでは新しいもの・珍しいもの(珍しくなくなったもの)に絞って触れてみる。
カボチャの仲間
日本で野菜として消費されたカボチャは和種(かつての主体、現在は激減)、洋種(現在の主体、カボチャの95%を占めている)、ペポの三種である。
ズッキーニ
珍しい野菜から最近普通の野菜の仲間入りをしかけている。ペポ種である。イタリアを中心にヨーロッパでは広く利用されている。開花後五〜七日の若い果実を利用する。油との相性が良いが、生食もできる。株は叢生し、株元に雌花が着生する。
スキャロープ
果実の形からスキャロープ(帆立貝)とかデッシュ(皿)と呼ばれる。ペポ種である。開花後二〜三日の果実を生食、漬物(ピクルス)炒め物にする。まだ珍しい野菜の域を出ない。
錦甘露
ペポ種であるが、古い野菜の一つで、現在は珍しい野菜になっている。握り拳より少し大きい程度。帯部を切って種子を出し、中に詰め物をして、蒸して利用する。
金糸瓜
これもペポ種であり、かなり古くから栽培されている。利用の仕方から、ソウメンカボチャ、ナマスウリとも呼ばれる。熟した果実を輪切りにして茹でると、果実がソウメン状に剥離するので、それをナマスにして食べる。大産地は無く、各地に散在的に小規模栽培され、主として地場消費されている。
ニガウリ
かつては沖縄・九州南部の地域的野菜であったが、最近は夏バテ防止の健康野菜として爆発的な人気がある。沖縄ではゴーヤと呼び、これが一般名称として知られている。一部にレーシと呼ぶところがあるが、これは誤用、レーシはムクロジ科の果実の名前、レーシを使うならニガウリはツルレーシである。
果実は長さ・太さ・果肉の厚さ・色、疣状突起の形・大きさ・数などが多様である。現在、日本では濃緑色・中長、疣が小さく密なものが主流であるが、台湾には果実の色が純白なものが多い。
ヘチマ
ニガウリとともに沖縄・九州南部の地域的野菜であった。ニガウリが全国的に認知されたのに対し、こちらはまだ一般的に認知されていない。タワシとしてのイメージが強すぎるためかもしれない。ニガウリが果の中央部にある種子部を取り除き、果皮・果肉の部分を食用にするのに対し、ヘチマは皮を剥き、果肉を全部食べる。調理はナスに準じる。株が夏バテしないので、夏の野菜としては魅力的である。果実の形、長さと太さは多様である。
トガトヘチマは普通のヘチマと同属異種であるが、食用専用である。その名の通り、果実に稜線がある。
メロンの仲間
食用とするメロンはヨーロッパ・中近東・中央アジア・中国から日本にかけて極めて多彩なものが栽培されており、シロウリもその仲間である。
ヨーロッパ・カンタロープ
フランス・イタリアを中心に広くヨーロッパで栽培されている。果実の形・大きさ・果面の色と模様、突起の有無など多彩である。日本ではほとんど栽培されていない。日本のメロンの様相を根本的に変えてしまったプリンスメロンはマクワウリとヨーロッパ・カンタロープとの間のF1である。
マクワウリ
かつての日本のメロン類の主体で、夏の大事な果物であった。プリンスメロンの爆発的普及と、その後の露地・ハウスメロン改良のあおりを受けて、現在では珍しい物の仲間入りをしてしまった。地域ごとに独特の品種が栽培されていた。棗瓜(ナツメウリ)はプリンスメロンの片親として用いられた。
シロウリ
シロウリは完熟しても糖をあまり蓄積しない東アジア型のメロンの一つである。西アジアにも同じようなタイプのものがある。かっては各地に独特の品種があり、地域の夏の野菜として珍重されていた。主として漬物(浅漬けも深漬けも)とされたが、生食や酢の物にも用いられた。奈良漬の主原料でもある。果肉が柔らかく、マクワウリとの雑種起源と推定されるものもある。
トウガンの仲間
トウガン
晩夏から初秋に収穫するが、冬までおいておけるので冬瓜(トウガン)と呼ばれる。日本では種類として地域限定的で、全く食べないところもある。果実の形・大きさ、蝋質(ブルム)の有無など多様である。巨大なものは40kgにもなる。果肉は柔らかく、味がないといえるほど癖がないが、中国料理には欠かせない。
フシウリ
ウガンの変種であるが、果実が小型である。節瓜の名が示すように、よく着果する。果実の表面に柔毛が密生するので毛瓜ともいわれる。中国野菜ブームの頃にも紹介され、最近は日本でF1も育成されている。完熟するまでおくと数kgの大果になるが、300gぐらいの若い果実を収穫すると、連続的に長い期間、収穫を続けることができる。
キュウリ風にもトウガン風にも利用できる。
キワノフルーツ
アフリカ原産で、植物としてはキュウリと同属である。バブル経済華やかな頃、新野菜の一つとして導入された。
果面に刺状の突起があり、果色は黄色から黄褐色に変わる。果肉は緑色で、粘質、酸味がある。
美味しいというほどのものではないが、盛籠のアクセントの一つとして用いられる。日本へはニュージーランドから導入された。新野菜として知られるものには、ペピーノ、ツリートマトなどニュージーランドから導入されたものが多い。
ヘビウリ
中国野菜の一つとして紹介されたが、アジア、アフリカの熱帯地域に広く分布している。その名の通り、細長くて1m以上にもなり、先端に向かってくねる。漬物、軽く茹でて酢の物とするが、生食には向かない。
|