春の嵐
日最大風速10m/s以上の年間日数を上記したが、その最も多い月は,関東では三、四月である。この時期の風は春一番で知られる西からの温帯低気圧がもたらすものである。一般的に関心は薄いが、10m/sどころか30m/s以上の突風をもたらることが時々ある。
平成六年の春一番の最大瞬間風速は銚子で37.8m/s、平成七年四月二十三日の春一番は千葉市で37.5m/sであった。これらの強風は突風であり、気象台の予報も少ないため、被害が大きい。平成七年の春の嵐ではフィルム剥がれなどの被害が随所に見られた。
春の嵐にも十分な関心をもちたい。
夏のやませ
オホーツク海高気圧と冷たい新潮から気流となって三陸沿岸に吹き寄せる低温の風が「やませ」である。発生時期は六月から八月初めまで、東北地方の太平洋岸の農業産地に悪影響を与える。
この「やませ」が鹿島灘を通って千葉県の北部に流れ込みことが時々ある。その時期は七月中旬である。サツマイモの塊根形成や早期栽培稲に被害をもたらすことが心配されてきたが、野菜や花き栽培に悪影響を与えていないか、注意する必要がある。
秋の台風
台風とその被害ついては特別説明することも無いが、昨年十月一日に襲来した台風21号の最大瞬間風速は銚子気象台の観測値で52.2m/sで大きな被害を受けた。銚子気象台で観測された最大瞬間風速の最大値は、長い間、昭和四十六年九月八日台風の49m/sであったが、平成八年九月二十二日の台風17号が51.9m/sを記録し、昨年の台風21号はそれを上回る記録であった。
最近、千葉県に襲来し、大きな被害を与えた台風を上げると、平成七年の台風12号(銚子気象台における最大瞬間風速46.9m/s)、平成八年の台風17号(51.9m/s)、平成十年の台風5号(45.7m/s)、平成十四年の台風21号(52.2m/s)である。
千葉県は本州の東端に位置することから、台風の襲来が多く、上記した台風から単純計算すると、二〜三年に一回は台風襲来があると考えても良い。
台風の風は時計回りと逆に渦を巻いて吹き付ける、そのため台風の中心(目)の東側は台風の進む方向と風の方向とが一致して加速され強風になる。反対に台風の目の西側では風は弱まる。昨年の台風21号でも目の東側の海匝、山武では甚大の被害を受けたが、目の西側の野田、我孫子方面では被害の話しは起きていない。
なお、台風害に伴うものとしての潮風害も油断ならない。
冬の季節風からっ風
冬の風は関東北部山地から吹きおろすからっ風で、千葉県まで達する。吹く時間は昼間で、夜になると衰えるのが一般である。からっ風の風速は10m/sを超えることは殆どない。しかし乾燥しおり、冬季であるのでハウスなどでは密閉して、中の温度・湿度への影響を避けなければならない。
からっ風の影響の中心は風食である。千葉県に広がる関東ロームと呼ばれる火山灰土は表面が乾くと、5〜6m/sを超える風により表土が吹き飛ばされ、10m/s以上の風では黄塵万丈の状態になる。
これら土の塵は露地作物の品質・収量に影響するばかりか、ハウスなども汚す。かつては麦栽培が風食防止対策として有効であったが、最近は麦作も殆どなく、畑を緑取る茶などの暴風垣も減ってしまった。雪や雨により、ハウスの土塵の汚れはかなり取れるが、一年ごとに汚れは蓄積されるので、スーパーソーラーフィルムも三年おきぐらいに洗い、きれいにしたい。