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花き生産と流通動向について
JA全農千葉県本部
中村信雄
 JA全農千葉園芸課(花き担当)では、千葉県の花き生産と販売を促進するため、組織整備や研修会などを通して産地振興をはかるとともに、生協など直売の援助や消費者への宣伝を進めている。
 千葉県の花き生産は立地条件に恵まれ、全国二位の生産を誇っているが、生産面積が減少傾向にあり、特に切り花の減少が大きい。生鮮切り花の輸入はカーネーション、バラをはじめ多くの種目がタイ、オランダ、コロンビア、韓国、中国などから入っており、急速に増えた中国からは菊、カーネーション、枝葉等が入っている。
 国内はデフレ傾向にあり、花の価格が安くなっているのに、消費は冷え込んでいる。しかし、花を飾り、心を癒したいという消費者の気持ちは低くない。ホームユース重視の時代と言える。
 このような現状の中で、花きの生産と販売をいかに高めるべきか。
 その一つはブランド化までいかなくても、それを目指した地域としての品質の良い花の生産である。一部の農家では品質が落ちており、それが全体の評価に影響する。品質を見直したい。消費者の指向から多品種少量生産の方向にあることも知っておきたい。農薬なども安全を第一にした選択、利用が必要である。
 また鮮度・花保ちが極めたて重要である。鮮度保持出荷に取り組む産地が増加しており、バケット出荷が急増しているのは喜ばしいが、本県の流通体制はまだ十分とは言えない。
 これからは量販店中心の大型流通の方向に進むこと、また市場間格差がさらに拡大し、情報取引が進むことなども考慮しておきたい。
 最近はコンピューター時代、花もインターネット取引が増えている。その対策も進めたい。
 輸入物の増加や、デフレ化の現状では、価格の上昇はあまり期待できない。したがってコスト低減の栽培、流通の省力化が大事である。

 
韓国の園芸事情
千葉県農業総合研究センター
宇田川雄二
韓国の施設園芸を見に行った千葉県農家の言、「日本も韓国も農家は同じ、悩みも同じ、国際競争に負けないよう頑張らなければ」と。韓国からの農産物の輸入に大騒ぎしてきたが、現在の韓国も中国やアメリカ等からの輸入農産物が国内生産量を上回り、日本の農家と同じ苦労、悩みの中にいる。
 韓国の施設園芸が急速に発展したのは一九九〇年頃以降である。一九八八年のソウルオリンピック前後からの高度経済成長による物価の上昇と、WTO裁定による農産物の市場開放に対応して、農産物の国際競争力を付けることを国策とした。その第一歩が園芸生産に膨大な予算をつぎ込んだ特別税の創設である。
 園芸生産への予算の重点はハウスなど施設の建設に用いられた。自己資金は二十%、しかし個人施設への補助は一九九八年で終了し、今後は3ha以上の法人への補助に限られている。このように国策で施設園芸への補助が行われたこともあり、ハウスの規格、土地利用などは合理的である。
 その結果一九九七年の施設面積は、55,000haと日本(52,570ha)を上回っている。
 施設はフェンロー型ガラス温室、50m×200mの単棟大型ハウスからパイプハウスなど種類はさまざまであるが、パイプハウスは長さ100mなど大きなものがあり、水田利用が多い。
しかも稲作との輪換も行われ、ハウス利用は極めて合理的と言える。ハウスの暖房はカーテン利用、コモ掛け、水幕による保温などから、最近は暖房をする農家が増えている。
 施設設置は費は 50m×200mの大型単棟ハウス(温湯暖房施設などを含む)で坪当たり二万円、パイプハウスで同じく一万円であり、所得に対してハウス設置費が一.五以下にすることを目標にしている。
 なお韓国の生活費のレベルは日本のほぼ二分の一である。
栽培する作物は多岐にわたる。品種もトマト、キュウリなど果菜類ではオランダや日本のものが多く入っている。作型は日本と同じであり、収穫も大差ない。
 当初、国の補助があったとはいえ、前記したような施設を維持、再生産を挙げていくためには、価格の高い日本への輸出を指向するのは当然であろう。パブリカ、トマト、ミニトマト、白イボキュリ、最近ではイチゴなどの輸出である。
 一方、これら作物の生産は韓国の国内需要の増加も促してきている。
 最初に述べたように、最近は韓国も中国やアメリカから安価な農産物の輸入が急増している。また国からの補助も打ち切られている。したがって、農家も苦しく、施設の新設はほとんどなく、園芸用施設・資材メーカーの倒産も生じている現状である。
 これを打開するために、生産コストの低減に重点を置くとともに、イチゴ高設栽培など省力的な技術を取り入れる努力を進めている。また試験場では無農薬・無化学肥料栽培を目標に土壌微生物活性剤や土壌改良剤の開発研究を進めている。
 以上のような韓国施設園芸の現状また中国からの輸入野菜の増加などの状況から、日本も農産物の物価上昇は期待できないので、国際競争力をつけるとともに、国内消費者に喜ばれる新鮮なうまく、安全で、安価な野菜を生産する努力をしなければならない。そのためには、コスト低減は第一であるが、流通経費を下げることと、付加価値をつける努力も必要である。また農業研究センターや農業改良普及センターなどを積極的に活用、新しい技術の導入も図ってもらいたい。

 
ユーラックカンキ利用盛ん
 
 ユーラックに換気口をあけたトンネル用フィルムです。換気口は作物、季節の違いに対応できるように、二列、三列・・・・などと幾つかあります。トンネル内の最低温度は孔の列に関係なく、密閉トンネルとあまり差異はありません。最高温度は外気が10℃ぐらいの時に、密閉トンネルでは30℃以上に上がるのに対し、列によりますが18〜22℃ほどにとどまります。
 このようなユーラックカンキトンネル内の温度と乾きやすい湿度条件は、低温耐性を強め、作物の健全な生育に役立ちます。高温障害の心配もありません。しかも裾上げなど面倒な換気作業の手間も省けます。各地で利用が定着し、ハウス内の利用も盛んです。ただユーラックカンキ利用では乾きやすく、床土の乾燥により、発芽不良や生育遅延を起こすことがありますから、必ずマルチを、さらに砂土、砂壌土などではベタガケも使用して下さい。

 
鴨川市曾呂
中里 一夫さんのトマト栽培
安房農業改良普及センター
橋本 威
鴨川市のトマト栽培
 この地域のトマト栽培は、主に「半促成(10月〜12月播種)+抑制(6月〜7月播種)」の二作どりが中心です。それに加えて「促成長期どり(7月〜9月播種)」で年一作どりの生産者や、キュウリを導入している生産者などもおり、トマt、キュウリがほぼ周年栽培されています。
 トマトの品種は「桃太郎」系の品種で「桃太郎エイト」、「桃太郎T93」、「桃太郎J」、「桃太郎ファイト」、「桃太郎コルト」などをそれぞれの特徴にあった作型に導入しています。
 当地区の「鴨川ビニールハウス研究会」では、ハウスが登場したての頃からトマト栽培している技術の高いベテラン生産者、比較的若い世代の意欲ある生産者がお互いに刺激しあい、高めあって、トマト栽培に取り組んでいます。
 近年は、有機質肥料を中心とした施肥による減化学肥料栽培、またハウス開口部への寒冷紗被覆や、「ラノーテープ」、「マルハナバチ」の使用などによる減農薬栽培への取り組みも行われています。

中里さんのトマト栽培の始まり
 ストック、カスミソウなどの花を栽培していた中里さんがトマト栽培に取り組み始めたのは約20年前、インゲン栽培を志し、当時トマト、インゲンを栽培していた「鴨川ビニールハウス研究会」に入会したのが始まりです。
 その後、インゲンを止め、トマト二作の経営を挟んで、現在は、樹勢維持などに熟練した技術を必要とする九月上旬定置の促成長期どりで年一作のトマト栽培に取り組んでいます。

栽培の概要
  • 品種 「桃太郎コルト」、播種 7月中旬、定植 9月上旬
  • 面積  約700坪、 本数 坪5本
  • 収穫始め、終わり  11月上旬〜7月上旬
  • 目標収量 20段どり、 3,000ケース /10a

栽培のポイント
栽培期間の長い年一作の作型のため、「欠かせないのは土づくりと根部の充実」であるとのこと。
地域の酪農家のつくる牛糞籾殻堆肥をトレンチャーで深く溝に入れることや、「エスカ有機」など、有機質で長く効果がある肥料を用いるなど、長い栽培期間を通して樹勢の落ちることの無いような土作り、根部の充実に心がけています。

栽培の工夫
 中里さんのトマト栽培は、探究心や創意工夫に溢れており、さらに良いトマト作りに向けて、常に何か新しい取り組みを行っています。
 例えば、連続摘心栽培、Uターン整枝など新しい整枝誘引方法へのチャレンジ、土作りにかける手間と労力、また薬剤に頼らずに授粉、着果を確実に行うための「マルハナバチ」については、ハチがより快適に過ごせるように巣箱を改良したりもしています。
 他にも、潅水のコントロールについて手作りの装置でおこなえるようになっていたり、粒での追肥を効果的に行うための器具を手作りしたり、中里さんのトマト栽培にかける熱意は止まるところがありません。今年は、新しいハウス被覆資材の導入に取り組んでいます。今までは「スーパーソーラー」を用いていましたが、灰色カビ病などの病害虫抑制のため、紫外線カットの「UVソフトソーラー」を試験的に導入しています。この導入に当たっても、照度の計測、比較まで自分でやってみるところに中里さんらしさが感じられます。

これから
鴨川市曾呂地区は山間で、風が強く、竜巻や台風によってハウスが損傷を受けたり、山に遮られて日照時間が短いなど、苦労も多いとのことですが、今後も、安房地区の暖かさを活かした栽培、特に美味しく、安全なトマト作りに向けて「あと二十年は頑張りたい」と、熱意を語ってくれた中里さんでした。

 
旭市野中 飯笹園芸
飯笹 均さんの「お客様に喜ばれる花づくりを目指して」
海匝農業改良普及センター
伊東 直美
1.地域の概要
 海匝地域は、温暖な気候を生かした施設園芸が盛んです。花き生産は県下第二位の粗生産額で、切り花・観葉・鉢花・鉢植木・花壇苗・洋ランと多様な品目で、全国の花き市場に出荷しています。
 生産者はおよそ220戸、約52haの施設と露地で栽培されています。

2.鉢花生産<:ペゴニア> への取組み
 イチゴ栽培からの転換で、平成二年より、ペゴニア栽培を始めました。鉢花生産をしている親友の紹介とアドバイスを受けたことがきっかけでした。イチゴの施設と電照を活かし、周年栽培が可能な品目としてペゴニアを選択しました。
3.経営の概要
  施設面積 3,200m2(内 スーパーソーラー 1,700m2
労働力 家族二人、雇用四人
品目 エラチオールペゴニア
出荷本数 55,000鉢、仙台から岡山までの市場に出荷しています。

4.ペゴニア栽培へのこだわり
1)ボリュウム感のある鉢づくり
 5号鉢でボリュウムがあり、花を楽しんでいただけるような鉢姿を目指しています。
2)自家配合用土づくり
 通常より、土の割合を10%多くし、鉢が少し重く感じますが、重さは、お客様への保証になっています。
3)絞り込んだ八品種
 出荷は、一箱五鉢で五色です。自分の施設に合った品種を選び、試作や検討を重ねて、現在の主力八品種を栽培しています。
4)生産体系づくり
 育苗施設と製品施設を分離し、周年出荷に向けた生産計画と栽培体系が重要なポイントになります。施設は効率よく、かつ鉢スペースを確保しなくてはなりません。
 鉢間隔をきちんととることが品質の安定につながります。周年栽培だからこそ、安定した品質が求められます。計画に沿った生産と出荷を図っています。

5.これからのペゴニア生産
 ペゴニア生産を始めて十四年目になり、自分の目指す鉢花の姿を描けるようになりました。
いかに年間を通して一定のボリュウムと質を保持していくか。日々、試行錯誤を繰り返しながら、自分の鉢花を追及されています。
 花きの販売も厳しい時代になりつつあります。市場出荷中心ですが、今後は、様々な販売も情報収集し検討を考えています。
 鉢花生産を始めて、大切にしていることは、お客様に「いい買い物をした」と喜んでいただける鉢花づくりを心掛け、これからも、自分の鉢花づくりと経営の安定を目指しています。

 
フィルムの汚れと洗浄
 
スーパーソーラー(ソフトソーラーも同じ)は農ビのように汚れがないが、それでも展張後二〜三年たつと汚れがでてくる。汚れは空中にうようよしている土壌菌・排気ガスや砂塵による。また今年のように日照が少なく、湿度が高いと藻が付く。特にフィルムが汚れていると、藻の付がひどくなる。
 汚れが気になり始めたら、洗浄する。小雨の時がよいが、晩秋から早春にかけては、夜露でフィルムの外面はびしょぬれになる。そこで朝早く洗う方もいる。一日でやり終えるのではなく、何日かかけて仕上げる。奇麗になったのを見ると、明日もということになる。
 洗浄水として水道水や動噴を利用する場合は、いつでも出来る。洗浄具としては、エンジン式高速な「背負いあらいぐま(槍木産業)」も市販されているが、個人的に工夫したモップ類を使用している方もいる。

当社の全てのフィルムは、農作物栽培現場におけるフィルム劣化促進作用を軽減するために、特許第2138850号に基づいた特殊配合を施してあります。 Copyright Mikado Chemical M.F.G Co. All Rights Reserved.
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