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エダマメ閑話
協 和 種 苗 株式会社
俵口 泰生
スーパーソーラー研究会の青木先生から気軽に「エダマメ」について何か寄稿しなさいと言われ、まとまりも無いまま日々が経ち、日曜日、ようやくこれを書き始めたら、偶然にも女房がエダマメをざる一杯に山盛りにしてテーブルに置いた。思えば先ほどから台所から香ばしい香りの正体はこれだったのか。でもこれは罪です。食べだしたら止まらないのがエダマメです。案の上、女房にエダマメのうんちくを講釈しながら、数分でカラサヤだけのざるがテーブルに残った。そして卑しくもざるの中の生き残りのエダマメを探し、あげくの果て汁気の残ったカラのサヤを再び口元へ。「いいかげんにしなさい」 との女房の一喝とざるを引き上げるのが同時で、私の至高のひと時が終了。いつものパターン通りだったと苦笑した。
エダマメのうまさはどこから来るのだろう。若い時、新潟県の営業を担当した。我社も私が担当する前から新潟県に「極早生大莢」の産地があり、取引先を通じよく農協や生産者の方々を訪問した。営業で訪問と言うより、逆に訪問先でエダマメについていろんなことを教わることの方が多かった。教わるとは体裁がよい言い方で、正しくはもぎたてのエダマメを特に茶豆をご馳走してもらうのがひそか楽しみ目的であったかもしれない。しかしエダマメ談議に花を咲かしていたのも事実であった。「本当に美味しいエダマメを食べたかったら夕方にお出でなさい。エダマメをもぐはしから茹でてあげるから。」と土地の古老から言われた。後日、こんな短い言葉の中にエダマメの味の核心があることに気づかされた。畑にあるエダマメは午後の方が香りが強く味も濃くなることが研究者の手で証明されている。しかも収穫後7、8月の自然の温度下では2日でその香りや味の旨味成分が半減するともある。エダマメの味の成分は糖とアミノ酸、糖はショ糖で水溶性のアミノ酸、アミノ酸の内、アニリンやグルタミンやアスパラギンが特に多くこれらが味の旨味成分らしい。古老の言う「夕方収穫して即茹でる」はまったく理にかなっていた。即茹でるは何か想像がつくが、夕方収穫のほうが美味しいとは茶豆に代表される新潟の栽培歴史と味へのこだわりだと、ほとほと感心し、敬服した。エダマメの出荷のための収穫、荷姿調整はかなり手のかかる作業である、したがって市場への出荷は夕方収穫では間に合わない。産地ではまだ温度の上がらない早朝に収穫し即低温貯蔵庫で冷やした後、荷姿調整し市場へ出荷、輸送も低温輸送され市場へ出荷される。これら産地の収穫予冷、低温輸送の努力によって、確かに我々消費者は美味しいエダマメを食べさせていただくことが出来ているわけだ。感謝している。でも新潟で夕方収穫、即茹でたあのエダマメの味にはまだ出会っていない。残念!
紙面が少ないが後一つ「エダマメの食の地域性」に関する話。新潟県民はエダマメをよく食べる。お盆前後にはエダマメを盆茶豆とか盆茶と言い、夕方各家の台所からエダマメの茹でる香りが日常的にただよって来る。新潟県のエダマメの作付け面積は千葉県とほほ同じ、千葉県はその生産のほとんどが大都市市場へ出荷される。当然県外の中央市場への出荷が多い。しかし新潟県内市場では気候条件的な要素もあると思うがエダマメが不足し、県外から持ち込まねば消費に追いつかないようである。これと同じ傾向にあるのが秋田県や山形県である。新潟、山形、秋田と日本で代表する米どころである。田んぼの畔の強化で植えた大豆、その登熟前の大豆からアニリン、アスパラギン、グルタミンの遊離アミノ酸の旨味成分を多く含んだウマイ未熟大豆を見つけ出し、それをアゼ豆と称し先人の幾多の育種淘汰ののち今の美味しい栄養価の高いエダマメがある。本当にありがたいことでありエダマメの奥深さを想い起される。ちなみに大豆は世界の主要穀物だが、エダマメはアジア特有の作物で世界に紹介されたのも平成に入ってからであり、一般的にアジア以外の各国では食べ物としてのエダマメは知られていなかったようだ。大豆から見ると収量の少ないエダマメは贅沢な食べ物なのでしょうかね。全世界でエダマメが認知され研究されもっともっと美味しいエダマメが世界で作られることを夢見ている。
エダマメについてもっと色んなことを書きたかったのですが紙面の都合上ここまでです。何かまた機会があればエダマメの早晩性や生態にまつわる話や品種の由来等々書こうかなと思っています。
 
地域研修会エダマメ フォーラム
 
2月22日にJA西船橋にて、エダマメ栽培に関する地域研修会を実施した。SS研究会としては初めての地域研修会で岩佐幸一特定理事及び木村大二郎理事の多大なご協力のお蔭をもって開催された。生産者17名、協賛会会員14名、その他関係者10名、計41名の参加があり、研修会は、講師講演、協賛会会員の商品紹介及び技術懇談会等があり講演者及び両理事を囲んで、品種、食味、栽培管理(温度、湿度、肥培管理等)等に関して、参加者からの活発な質疑応答があり有意義な研修会であった。地域研修会開催に当たっては、JA西船橋に多大なご協力をいただき心から感謝申し上げます。 研修会概要は下記の通りです。

1 講演 「地域のエダマメ生産の現状と問題点について」
JA西船橋 指導経済部 田久保精治部長
船橋地区はエダマメ産地としては、昭和51年頃から盛んになった。当時はトンネルを使用した半促成栽培が主流であった。出荷は5月の連休明けぐらいを目標にしており、良い販路を探すのが課題であった。現在は、ハウス栽培、トンネル栽培、露地栽培の組み合わせで長期間の生産を目指している。

1. ハウス栽培作型
エダマメ、/小松菜、叉はホウレンソウとの輪作、
播種、2月中旬―3月中旬、収穫、5月上旬―6月下旬、
生産はハウス、トンネル、露地、を組み合わせて5月上旬から8月上旬まで継続出荷ができる栽培体型を組んでいるのが特徴である。
2. 荷姿、 根つき、葉つき、500gr束で、採りたてを売りものにしている。
3. 管内の概要及び課題エダマメ生産者(ハウス、トンネル、露地栽培を含めて)は管内で70数名。1戸当り経営面積は ハウスの場合、約30アール(900坪)、トンネル及び露地で約50アール。生産地の多くが市街地区に混在している。環境問題等で一般市民とトラブルが無いように如何に共存してゆくかが問題であり、更に農地を宅地化しないで(減らさないで)、次の世代へ継いでゆくことが必要である。更に産地化を進めるためエダマメの特性を生かして、品種の検討及び栽培技術の工夫によって周年生産技術を確立し、安定した収益を上げるかが課題である。

2 講演 「エダマメ周年栽培に於ける品種と栽培技術につて」
雪印種苗叶逞t研究農場、近江公室長
1. エダマメの生産量、市場量(平成13年、農水省統計)
栽培面積 12800ha
生産量 75000t−80000t
市場流通量 155000−160000
輸入量 75000t−80000t(冷凍品、中国産が多い)
冷凍品で多量に輸入されているので、まだまだ市場の弾力性は大きいと思われる。
冷凍品としては中国産が大部分であるが北海道産のものも少々ある。

2. 栽培品種について
各地方によって、白、茶、黒毛種、さまざまであるが、白毛種が多い。
最近では9月―10月出荷の晩生品種の要望が増えてきている。
遅い例、 京都、丹波のクロマメ 11月出荷

3. 出荷時期について
出荷時期としては、(1)5−6月出荷、(2)7−8月出荷、(3)9−10月出荷、
(4)11月出荷など存在するが、各地域により種々異なる。
周年栽培の例としては、春作は6月で切って、7、8月は休んで夏場に播種して秋に収穫
する型が存在する。

4. 新しい品種の紹介、(極早生、極大莢品種、「さやね」雪印種苗、)
(1)品種特性
  * 「サヤムスメ」に比較して収穫が1週間ぐらい早い。
  * 「サッポロミドリ」並みの極早生で「サヤムスメ」並みに莢色は濃緑、極大莢である。
  * 草勢ややおとなしく、草丈コンパクト、(高さ60cm程度)で比較的着莢密となり、枝付きおよび束出荷用に最適である。
  * エダマメ本来の旨みが強く、食味に優れる(適期収穫が重要)。

(2)理想的な草姿は次の通りである
  * 草丈      60cm前後。
  * 主茎節数    7−8節(移植6−7節)
  * 分枝数     1−2本
  * 着莢数     1株当り、平均15莢

(3)移植栽培の注意点
  草勢の確保が最も重要― 短稈、生育の貧弱は着莢不良、低収につながる。
 具体的対策
  * 比較的地力の強い圃場(他品種では伸びやすい畑)を選定する。
  * 定植時期は適期苗を厳守(特に老化苗、いじけ苗は使用しない)。
  * 一般的にハウス、トンネル等の早い作型は草丈が伸びやすいので「さやね」は節間伸長をある程度抑える効果がある。

(4)直播栽培の注意点
 具体的対策
  * 相対的に砂質より粘土質の圃場(初期生育が徒長しにくい畑)を選定する
  * 一般的に露地マルチ栽培及び露地栽培等の遅い作型(草勢を確保するのに有効)に適する。
  * 一穴一粒播きが原則(欠株を生じないよう播種は丁寧に行う)。

(5)栽培におけるポイント(移植、直播共通)
  葉は大きめに作る(小葉は乾燥害を受けやすい)− 草勢貧弱、着莢不良から低収につながる。
 具体的対策
  * 圃場水分は播種前に十分確保した上で圃場準備する(後からの灌水は極力控えるため)
  * 湿度を逃がさない(ハウス内トンネル、露地での被覆栽培は湿度確保に有効)。
  * 風対策も重要(同上)。

 温度管理は高めにする(比較的高温を好む)。− 低温は特に開花期に大きく影響する、
(花落ちすると主茎が太くなり、花がいつまでも受精しないため不稔莢が増える)。

 具体的対策
  * 生育期間を通じて温度と湿度管理に注意する。特に開花期の高温(30℃以上)と湿度は着莢を安定させるためにも極めて重要な管理となる。開花期の湿度は保ったほうが良い。換気は控えめにしたほうが良い。
  * 夜温の最低は15℃以上が目安(短時間であれば低温遭遇の影響はそれほどない)。
  * 日照量(時間ではなく明るさ)も着莢には重要で、光透過性のよい被覆材を使用する。

  注 エダマメは気候条件に影響を受けやすい植物である、従ってハウス、及びトンネル内の温度、湿度管理は重要な管理要素となる。

3 研究発表 「3月播種エダマメ栽培における灌水試験について」
船橋市農業センター  高橋哲郎氏
定植後の灌水時期と生育、着莢との関係を調査した。
(1)品種、サヤムスメ (2)播種、 2月19日  (3)定植、 2月27日
被覆、定植後PO系フイルム(50μ)2重トンネル及びべたがけ資材として不織布を使用。
全部で3重被覆とした。   (4)収穫、5月1日
定植後第2葉展開期に灌水を行うことで、3粒莢、2粒莢を多くして品質、収量を上げることが可能と思われた。逆に開花前後の灌水は有効莢数が少なくなるうえ、1粒莢の割合が増加するため、この時期の灌水は不適切であると思われた。
尚、1重被覆の場合、3重被覆と比較して着莢数が1/2−1/3に減少した。 空気湿度を保持することは良いことであり、温度、日照量は莢付に重要な要素となる。

4 技術懇談会
1. 「ハウス被覆資材について、」 特定理事(エダマメ生産者)、岩佐幸一氏
ハウス外張り資材としてソフトソーラーを数年間使用しているが硬質フィルムと比較して生育、莢付、品質等の点でソフトソーラー区の方が良好であった。
ソフトソーラーの散乱光特性および保湿特性がエダマメ栽培に対して、硬質フィルムに比べて適していたものと思われる。
尚、灌水は定植前に十分灌水しており定植後は灌水しなかった。
今年は硬質フィルムのハウスに内張りカーテンとしてソフトソーラーを使用し、トンネルに不織布を使用している。現在のところ結果が良さそうだ。

2. 「ソフトソーラーの特性について、」 みかど化工梶A開発部、江上正之部長
岩佐氏の圃場およびその他2−3の圃場での事例を入れてソフトソーラーの特性を説明された。
特徴
(1) 透過光全体に占める散乱光の割合がスーパーソーラーに比べて大きい。従って、高温期にハウス内へ入射してくる太陽光を散乱化し、直達光による高温害(葉焼け等)を軽減する。散乱光がハウス内に日陰を作りにくくしている。植物全体に光を当り易くしている。通常、直達光― 70%、 散乱光― 30%である。
エダマメについては、春季気候変化の大きいとき日照や気温変化を緩やかにすることで花芽の付が良く、莢数を多くすることが出来たものと考える。

(2) 低温期、ハウス内面に結露しているときはスーパーソーラーと同じ透明性を有する。

(3) 透過光量は散光時も透明時も同じです。

(4) 耐久性、保温性、防曇性、の特徴はスーパーソーラーと同じです。

3. 「新品種、「湯あがり娘」の紹介、」 カネコ種苗梶@千葉支店 津田直哉氏
(1) 白毛の品種であるが、茶豆の血が入っており、食味および風味の良い品種です。

(2) 品質では毛茸は白く、湯であがった莢及び子実色は鮮やかな緑色で市場性の高い品種です。

(3) 熟期は85日タイプの中早生品種です。

(4) 収量性は大莢で着莢良く、3粒莢が多い品種です。

(5) 栽培上のポイントは、生育が旺盛な品種ですから移植栽培が基本です。むやみな早播きは倒伏、折損の原因となりますので控えて下さい。

  切り花、鉢花フォーラム(案)
日時 平成17年5月 日  午後1.00−5.00
場所 千葉県農業総合研究センター暖地園芸研究所講堂館山市山本1762
TEL 0470−22−2603
主催 スーパーソーラー研究会

1- 場内見学 午後1.00−2.00
  暖地園芸研究所花卉研究室圃場

2- 研究会 午後2.00−5.00
 
1. 安房地区における切り花、鉢花生産の現状と問題点。
暖地園芸研究室、神田美知枝室長

2. 切り花、鉢花生産の感どころ
元潟~ヨシ専務、魚躬詔一氏

3. 技術懇談会
話題提供者

魚躬詔一氏、神田美知枝氏、間宮源一郎氏、佐粧隆夫氏
渡辺勇氏、大溝和雄氏
当社の全てのフィルムは、農作物栽培現場におけるフィルム劣化促進作用を軽減するために、特許第2138850号に基づいた特殊配合を施してあります。 Copyright Mikado Chemical M.F.G Co. All Rights Reserved.
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