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切り花、鉢花フォーラム開催される
 
平成17年12月8日(木)、千葉県北総地区の切り花、鉢物生産者を対象にして、賛助会員および県内の試験研究機関、農林振興センターの先生方など39名の参加のもとで、海宝副会長宅カーネーション圃場および旭市干潟公民館((旭市南堀の内22−1)にて切り花、鉢物フォーラムが開催された。
フォーラムは1.カーネーション栽培の現地研修(海宝農園、スーパーソーラー研究会副会長、香取郡東庄町) 2.講演  3.技術懇談会より構成された。
講演は、(1)北総地区における切り花、鉢物生産の現状と問題点。千葉県農業総合研究センター暖地園芸研究所花き研究室 神田美知枝室長。 (2)千葉県におけるラン生産の現状について。千葉市農政センター、佐々木教子研究員。の2講演があった。
技術懇談会では、北総地域の切り花・鉢物生産の振興方向についてのテーマで(1)切り花・鉢物の品目は? (2)切り花・鉢物の生産技術は? (3)切り花・鉢物の販売対策は?等について種々意見交換がなされた。
フォーラム開催に当たっては、旭市市会議員であり、地元でキュウリ、トマトを生産する篤農家の斉藤勝昭氏の甚大なるご協力があり感謝申し上げます。

 
カーネーション栽培現地研修
 
海宝農園(スーパーソーラー研究会副会長、香取郡東庄町)
 12月8日師走の曇り空の中、干潟公民館に集合した参加者一同はそれぞれ分乗して東庄町の海宝農園のカーネーション栽培ハウスに向かった。
 海宝正一氏はカーネーション栽培暦20年以上のベテランで、平成14年には農林水産大臣賞の栄誉に輝いた素晴らしい技術の持ち主である。
 栽培ハウス面積は全体で1700坪とのことですが、今回は軽量鉄骨屋根型ハウスおよび連棟パイプハウスを含め900坪のカーネーション栽培ハウスを見学した。
 スタンダード系の白色〜クリーム色のカーネーションを中心に栽培状況を見学した。それぞれ開花始めの状態であったがどれも素晴らしい出来栄えであった。
 栽培品種系統については市場動向に沿った品種系統の選定を行っている。スプレー系の価格が下がったのでスタンダード系60%、スプレー系40%の割合で栽培している。
 花色については赤の需要が減って白色〜クリーム色系の需要が多くなってきているので、白色〜クリーム色系を中心に生産している。最近、ホテル等での冠婚葬祭で白色の需要が増えてきている。
 作型は周年出荷がほとんどで1月末までのものが一部存在するとのこと。
 カーネーションの品種としては約600品種あるが県内では約300品種が生産されている。

 苗について、輸入苗の場合、悪いものが入ってきた場合にキャンセルするのに大変苦労するので注意を要する。
 労働力は家族労働3.5人、パート労働5人。
 ハウス展張資材としては、外張りにスーパーソーラー、UVソーラー、ソフトソーラー、花野果等の農POフイルムを使用し、内張りにはベルキュウスイ、無天露を使用している。
 見学の後干潟公民館に戻り、海宝副会長より、カーネーション栽培についての技術説明を受けた。

ポイント ― 1、土づくり
 カーネーション栽培では土づくりが大事。根づくりのための土づくりである。
カーネーションは主根がなく上根だけである。定植後初期に如何に根を伸ばすかが大切である。土づくりの中で、もみがらくん炭、ヤシガラ、ピートモス等を使用しているが、もみがらくん炭は毎年継続して使用している。もみがらくん炭を使用して4〜5年すると芽吹きの状態が変わってきた。
 ハウスは20数年経過している。連作障害を回避するための、もみがらくん炭の役割は大きいと感じている。
 もみがらくん炭の役割→通気性、排水性等の物理的効果、有機酸、有機ガスを除去する効果等により根の活力が向上すると考えている。さらに、MFキング(土壌改良剤、潟wルスアンドライフ社製)を使用した効果なのかはっきりしないが、例年になく生育が早まり旺盛になって驚いている。次作でも使ってみたいと感じている。
 施肥は購入肥料を県の標準の三分の一程度で実施している。肥料は基肥と追肥の二種類で、追肥は置肥として有機質肥料を使用している。

ポイント ― 2、定植後の水管理
 定植してから活着させるためには、こまめな水管理が必要である。

ポイント ― 3、ハウス内の光環境
 カーネーション栽培での好適な光量は3万ルックス程度かと思う。
温度がやや低い時でもカーテンを開ける(カーテン自体が光環境を悪くしているので)。温度よりも光を重要視している。スーパーソーラー、ソフトソーラー、UVソーラー等の農POフイルムではガラス温室に負けない力強いカーネーションが出来る。スーパーソーラーとUVソーラーとの比較では赤系の色が多少異なる。又、草丈も多少異なるが軟弱にはならない。
 平成14年の農林水産大臣賞受賞は土づくり、根づくり、およびハウス内光環境管理にあったと考えている。

ポイント ― 4、ハウス内温度、炭酸ガス濃度等
Q、温度管理が重要となってくると思うが、どうしているのですか?
 A、日中ハウス内温度は病害対策の面から他人よりも低めに管理している。
他人 ― 20℃、自分 ― 17℃〜18℃、

* 千葉県庁農業改良課 専門技術員増田千代子氏
 北総地域のカーネーションは県内でも高いレベルである。確実に金を稼いでいる産地でもある。
干潟地区は平成元年頃から共選・共販に取り組んでいる。スタンダードとスプレーとの価格差が無くなってきたので、全般的にスタンダードに移行してきている。又、色も種々多彩になってきている。干潟花き組合では今後どうするか苦労している。
 最近の特徴としては白系が多くなってきており、次にグリーン系になってきている。スムーズに夏越しが出来る様にするために海宝農園の土づくりは良く出来ている。干潟地区は海宝さんのカーネーション作りの技術を参考にしようという傾向にある。
収量をとるために品種を選定して全体のバランスをとっていこうとする傾向にある。

 
講演
 
1.講演 「安房地区における切り花、鉢花生産の現状と問題点」
暖地園芸研究所花き研究室
神田美知枝室長
生産の現状
 千葉県の花き産出額は211億円で全国4位、その内切り花は147億円で2位、鉢物は36億円です(平成14年度)。北総地域の花づくりは大消費地に近い利点を活かし、切り花、鉢花、花壇苗とさまざまな品目があります。最近、施設野菜から花き生産への転向でさらに生産をのばしています。

栽培の特徴
 北総地域は花き栽培は主に施設で栽培されています。平成9年頃からガラス温室、ハウスの面積が増加しています。特に、印旛、海匝地域で、ハウスの面積は平成元年に比べ500%以上の増となっています。県南地域に比べて北総地域は1戸当たりの栽培面積が大きく大規模経営です。ただガラス温室は老朽化が問題となっています。
注、県内の花き用施設面積の変化については表―1参照。

今後の対応
 北総地域の切り花、鉢花の生産を発展させるために、今後どうしたら良いのか?を考えると(1)ホームユースを重要視し推進する(2)ブランド化の推進(認証)(3)鮮度保持のための新しい流通技術を確立する等が考えられます。又、品質面では東京に近いというメリットがあり鮮度の良いものを出す。千葉県の花は鮮度が良く日持ちが良いという点をアピールするなどです。

 花き流通について南房総地域の実態として次の様な例があります。
トルコギキョウの例
朝収穫 → 夜12時頃大田市場着 → 翌日朝7時にセリに出す。
菜の花、キンギョソウ、バラ等はバケット輸送を行っています。
 暖地園芸研究所ではバケット輸送についての研究をおこなっています。又、もうかる切り花生産を支える新技術の開発も行っています。
「起き上がり仕立て」を活用したカーネーションの長期栽培。
2年栽培の研究、苗代の節約が目的。現在、現地実証試験を実施中。
バラのロックウール栽培。
低コストで設置出来る培養液循環栽培システムの開発。環境に配慮した培養液の処理方法を開発。
 輸入切り花の増大対策
輸入切り花の増大対策も重要な課題のひとつです。最近、海外からの輸入切り花が増大してきています。これに対しては、(1)もともと千葉県の花き生産技術は良いのですから、良い品質であるという事をもっとアピールすることが重要、アピールの仕方が問題です。(2)ブランド化してホームユースを推進する(農林水産省が推進)。(3)輸送面の研究が必要。産直の場合、朝に切ったものが昼には市場に出る様な流通体系の研究。又、売るためには生産者が情報を持つことが重要です。
 質疑応答
Q、カーネーションの長期栽培について
 A、現在、現地試験の段階で、収支はマイナスでない。苗の寿命は3年切りまで実施した。あと2年で完成する。
* 北総の切り花についてのご意見、千葉県庁農業改良課 専門技術員増田千代子氏談
  品質がよい日持ちするという利点を考慮して、北総の花、千葉県の花のブランド化を考える。

切り花(産地)→ バケット輸送 → 花屋(市場)の流通過程での鮮度保持のためのマニュアル化も重要である。良い花を提供して使ってもらうシステムを作り上げる必要がある。
尚、講演2、千葉市農政センター佐々木教子研究員の「千葉県に於けるラン生産の現状について」の講演要旨の掲載はプラカル50号に掲載予定。

表1 県内の花き用施設面積。(単位:ヘクタール)
施設 地域 H1年 H5年 H7年 H9年 H11年 H13年 H1比
ガラス温室 印旛 8.6 8.5 8.6 9.4 8.3 9.9 115%
香取 5.8 5.7 7.3 7.3 6.1 6.8 117%
海匝 2.8 2.8 4.0 4.1 3.8 3.8 136%
山武 3.7 4.2 5.8 6.3 7.1 7.1 192%
安房 40.7 44.0 43.8 43.6 36.6 34.8 86%
78.3 84.6 93.4 95.5 85.8 84.9 108%
 
ハウス 印旛 7.1 10.8 17.6 35.1 35.1 39.8 561%
香取 7.6 9.7 9.4 11.5 12.7 11.6 153%
海匝 7.0 11.8 19.0 38.5 41.5 40.4 577%
山武 6.7 8.7 11.7 13.4 19.7 21.6 322%
安房 179.5 184.7 177.7 180.1 179.7 185.9 104%
242.5 262.5 283.4 330.0 343.6 354.7 146%

 
「技術懇談会」
 
司会 青木常任顧問
話題提供者 神田美知枝室長、佐々木教子研究員、大木寛会長、海宝正一副会長、鷺山利雄氏、
江上常務(みかど化工(株))
司会
北総地域の切り花・鉢物が発展をするために何かお役に立つようにと、このフォーラムを開催したのですが、どんな方向、方法が期待出来るでしようか。

◇ 鷺山利雄氏、(ガーベラの生産、販売)
 従来、私の場合東京の小さい市場に個人出荷していたが、最近それが無くなったので、従弟と共同して販売会社をつくり共選、共販している。
 市場対応として、先ず市場の情報を入れて花き卸売り市場と接触している。花屋のショウウインドウに自分達の花を飾り、ニーズ情報を手に入れて来年の生産品種および品質を決める。花屋さんの要望に合った品種・品質の花を生産している。花屋さんの要望を主に考えている。
 現在、二人の共同ということでうまく運営している。
 ユーザーの要望に合った品質を確保することが大事と考えて勉強会も実施し、厳しいニーズに対応している。
 ガーベラの生産に対するポイントとして、種々の品種を組み合わせて高品質で飽きない品種を生産する努力をしている。そのためには、土壌条件、光条件、温度条件、被覆資材(フイルム)等のハウス内環境管理が重要となる。
 被覆資材として、ガーベラ栽培においてはスーパーソーラーとUVソーラーとでは微妙に色合いが異なる。現時点ではソフトソーラーとUVソフトの二種類のフイルムで十分と考えている。二軒で、ソフトソーラー・UVソーラー展張ハウス3500坪、ガラス室800坪の栽培面積です。

◇ 香取農林振興センター 小出 香氏
 鉢花について民間での育種は難しい。海外からの輸入苗はトラブルが多い。カーネーションの育種は振興センターと民間と共同で実施したものが良いところまできている。ストックは民間育種でやらせている。公共機関と民間とで力を合わせてやっていくことが重要である。

◇ 青木常任顧問
 この地域の花き生産は大規模化が進んでいる。高品質の花き類・鉢物の生産を目指しているという点では多彩なホームユース切り花を目指す安房地域とはやや異なった傾向にある。どういう方向に行くのかこれから模索する必要がある。これからの花フォーラムの内容を検討して、より関心の高いフォーラムを考えてゆきたい。

◇ 海宝副会長
 厳しい、厳しいと言われている時代、これがあたりまえ。この様な研究会で情報を共有できるものは共有して頑張って行きたい。

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