1.防虫対策、病害対策、耐暑対策に対する意見
○ 山口正巳氏(鴨川市、トマト栽培)
防虫対策として、0.4mm目合いの防虫ネットを使用している。日中、外気温が32℃のときハウス内温度は35〜36℃になるが、栽培作物に対しては問題ない。防虫対策としては0.4mm目合いの防虫ネットがよいと思う。
○ 高橋哲郎先生(船橋市農業センター)
トマトの黄化葉巻病対策として耐病性品種の開発、および高温対策として各種品種の高温に強い品種の開発が望まれる。
○ 小林伸三先生(千葉県農総研砂地野菜研究室)
害虫対策としては(1)0.4mm目合いの防虫ネットを使用して害虫の侵入を遮断する。(2)通気性を考慮して1.0mm目合いのネットと紫外線カットフイルムなどの防虫効果のあるフイルム資材とを併用する、方法が考えられる。
○ 中村靖弘先生(千葉県農総研砂地野菜研究室)
防虫対策、病害対策として農薬を使用する場合、生産物に安全・安心の付加価値をつけるため、および環境保全のために農薬の使い方の技術指導が必要と考える。
○ 伊藤義明氏(銚子市、トマト、メロン栽培)
(1)夏期のトマト栽培はハウス内温度が高くて暑い。冬は暖かく、夏は涼しくなる様なフイルムを開発して欲しい。(2)トマトのかいよう病に対して強い品種を作って欲しい。かいよう病対策として、微生物資材に期待して「なまの微生物」を使用して種々検討しているが、なかなかむずかしい。(3)農薬を使わなくても良い品種を開発して欲しい。
2.春作から夏作の栽培に於いて高品質で安全な野菜を生産するための資材面の考慮について。
司会(青木常任顧問)
春から夏〜秋にかけての栽培は植物が活動し易い時期であり、収量も上がる時期なのでハウス栽培で作物が栽培し易い環境を作るには資材面を考慮する必要がある。又、生産者の作業環境も良い状況にするには同様に資材面での考慮が大切である。
2-1.トマト栽培における灰色カビ病防除対策としての資材(展張フイルム)について。
○ 藤代昌彦氏(山武郡芝山町、トマト栽培)
5種類のフイルムを展張したハウスで比較しているが、灰色カビ病防除対策フイルムとしてはUVソーラー(紫外線カットフイルム)が良好であった。
2-2.UVソーラーの害虫飛来防止作用について
| 伊藤義明氏 |
展張5年目 |
あまり効果ない |
| 西海敏郎氏 |
展張2年目 |
効果があった |
○ みかど化工(株) 峯岸社長
5種類のフイルムを展張したハウスで比較しているが、灰色カビ病防除対策フイルムとしてはUVソーラー(紫外線カットフイルム)が良好であった。
○ みかど化工(株) 江上常務
紫外線カットの効果はフイルムの展張経過年数により変化し、展張経過年数が長くなるにしたがって効果は低下する傾向にある。
2-3.フイルム資材の面から作物に好適な環境を作るには。
○ みかど化工(株) 江上常務
展張フイルムについては、要求されるハウス内環境によって特性の異なるフイルムを種々組み合わせた使い方をすればいろんなことが出来ると考える。例えばハウス天井部を3層にする、(透明フイルムや遮光フイルムのカーテンなど)。このためにはハウス構造を改修する必要がある。
2-4.司会、強光時期の対策の意見が多かった。遮光資材を使っても安定的なハウス内温度を保持出来ない場合がある。遮光資材以外のハウス内温度制御について。
○ 西海敏郎氏
耐暑対策として細霧システム,循環扇などの新しい技術を導入した。細霧システムについては前述の通り循環扇との併用でハウス内温度を下げるだけでなく農薬消毒にも適用出来る大きな効果が得られている。他方、ハウスにはタンテンソウを設備した。タンテンソウの効果は大きい。
○ 東都興業(株) 前田博史氏
タンテンソウ、 取り付け簡単、ハウスサイド換気を行うとハウス内に対流が起こり、換気効率が良く、且つ植物にも好影響を与える。
スカイペット、 ハウスのゆがみを吸収して、本格的な天窓換気が実現出来る。新設はもちろん、既存のハウスでも取り付けが簡単である。
○ 森田商店 森田常務
1棟に複数個のタンテンソウを取り付けた場合、1ケ所で開閉操作出来る様に設備改善してほしい。
3.栽培品種および栽培技術について。
3-1.司会、トマトの品種について、美味で耐病性があり、高温耐暑性品種の開発は出来ないか。
○ (株)みかど育種農場 鈴木部長
食味が良くて、耐病性且つ耐暑性品種の育成は現状むずかしい。
3-2.司会、西海さんは「みそら」を栽培しているが、どうですか?
○ 西海敏郎氏
栽培技術として第一花房を抑える方向でもってゆき、食味の良いものを作るように努力しているところです。高温期には「みそら」は耐暑性、食味ともども良好です。
3-3.司会、トマト栽培では根づくりが重要という話があった。育苗後期、定植初期が大事である。これに対する資材について。
○ (株)みかど育種農場 鈴木部長
「バイオシート」という生分解性特殊フイルムを使用した「バイオシート栽培」を開発した。
根圏隔離栽培なので、定植から第3花房の着果初期まで水分量を必要最低限にコントロール出来るので過剰な水分のやり過ぎによる定植後の軟弱化と茎葉の過繁茂を抑制出来る。バイオシートの利用により、その後の幹根の発生に役立つている。
注)、詳細は配布資料、「バイオシート栽培」参照
3-4.司会、根づくりに関しては伊藤義明さんが取り組んでおられるのでご意見をお聞かせ下さい。
○ 伊藤義明氏
トマトの場合、品種により種々異なる。現在の品種では水をしぼり過ぎると逆にマイナスになる面があるので、適度な灌水を実施している。
3-5.カーネーションの水管理について
○ 海宝正一氏
カーネーションの場合は主根がなくかろうじて生きている状態なので水管理が重要である。夏場は多くなく、少なくない状態でもってゆく。カーネーションの場合は水を切らしたらだめなので、この点、野菜とは異なる。
3-6.司会、耐暑性品種でほかに何かありませんか。
○ 協和種苗(株) 俵口泰生氏
ミニトマトでは耐暑性の良好な「ラブリー藍」「ラブリーさくら」がある。愛知県、鹿児島県、宮崎県、千葉県(旭市)で実績を積みつつある。
現在は昭和初期に比べて平均気温が2〜3℃高くなっている。千葉県の施設栽培で生かす野菜の中に「オクラ」があるので紹介します。
従来「オクラ」は四国、鹿児島県、宮崎県などの暖かい地方で栽培された作物である。作型としては周年栽培で、2月播種、4月定植、5〜8月収穫、切り戻しして12月まで収穫する。
4.害虫について
司会、害虫の駆除がむずかしいと言う意見。0.4mm目合いのネットが有効である。と言う意見等があった。害虫について考える必要がある。特に、害虫はハウス内に侵入させないのだ、と言う事を念頭に入れる必要がある。
これに関連して日本ワイドクロス(株)より防虫ネットの紹介があった。
○ 日本ワイドクロス(株) 草場隆人氏
サンサンネット
1.0mm目合い、0.8mm、0.6mm、0.4mm目合い、など種々あるが温室コナジラミの様な小さな害虫に適用出来るのは0.4mm目合いである。最近では0.4mm×0.3mm,0.4mm×0.2mm目合いまで使われる様になってきた。しかし、目が細かいほど防虫効果はある反面、通気性が悪くなり、ハウス内が暑くなり高温障害が起こり易くなる。ハウス内温度のことを考えると0.4mm×0.3mmが限度かと思う。換気のことを考えると、天窓をふやす。ハウスサイド換気を肩部まで広げる。循環扇と天窓との併用。などが考えられる。防虫ネットは出入り口にも展張したほうが良い。防虫ネットを展張してからも一度消毒したほうが良い。
Q: 0.4mm×0.3~0.2mmの目合いのこまかいものの強度は?
A: 糸を細くしているので、こすれには弱くなっているが、引っ張り強さは変わらない。耳の部分は補強している。
5.キュウリの褐斑病対策について
○ 伊藤富男氏
ハウス内湿度を上げて果実の品質を向上させる条件は褐斑病が出易い条件となる。この対策について。
司会 対策
循環扇などを利用してハウス内の通風と換気を良くして、一日の内で湿度を下げる時間帯と湿度を上げる時間帯とを決めてハウス内環境を改善する。最小限の農薬散布を実施する。
6.その他
○ 槍木産業(株) 大木繁範氏
ハウス内および畑で作業する場合に使用する簡単な農用具の紹介。
| (1) |
マルチパートナー |
マルチフイルム施行用具 |
| (2) |
アルキメデス |
畑を深耕する農用具 |
| (3) |
鍬類(馬鍬、狐鍬) |
ハウス内および畑での除草用具、管理用具 |
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