(1)産直への取り組み
父の代からトマト、キュウリ栽培をやってきた。自分も後継者としてトマトづくりを行っている。当初、ファースト系を作ってきた。収量は多いが、5月以降になると市場価格が下がる。安定した価格が得られる様に産直を始めた。
当初、近くのスーパーに納品することから始めた。現在は 13店舗(千葉県、茨城県)に拡大し、トマトを納品している。
スーパーへの出荷はコンテナ出荷で、労力が 1/3に軽減できた。コンテナ出荷は箱代がかからないメリットがあり経費節減になる。
価格については,各スーパーとの話し合いで安定した価格になっている。各スーパーには、柳沢農園コーナーが設置してある。この産直が定着するまでには相当時間がかかった。
農園の周囲には宅地が多いので、B〜C級品は庭先で近所の人たちに販売している。消費者と直接接触するので味の面を重要視している。味が良い(おいしい)ということで、遠方(北海道、九州方面)に送りたいと言う要望に対しては宅急便配送も行っている。
研修会当日、柳沢さんは柳沢農園のとれたてのトマトを持参してくださり、参加者一同試食させて頂いた。
果実は深い橙赤色で、味の濃い美味しいトマトが大好評であった。
(2)品種
品種は「桃太郎」。品種については種々検討してきたが最初の「桃太郎」が最も良いと思っている。最初の「桃太郎」は甘味、酸味とも深い味で且つ糖度,酸度のバランスがよい品種である。
(3)作型および栽培技術
定植 1/下旬。 収穫 4/上旬〜7/中旬。 10段どり栽培。
栽培技術は連続摘心栽培法を実施している。青木先生が連続摘心栽培技術を発表するとすぐに取り入れました。丈夫な葉を作れば病気にも強くなると考えて丈夫な葉を作る様に心がけている。
(4)栽培上の問題点とその対策
春先に根腐れ萎ちょう病が発生し易い。その対策として、栽培が 7/中旬で終了するので「ふすま」による土壌還元消毒を実施している。「ふすま」を 1〜1.5t/10a 鋤き込む。この場合米ヌカも併用する。
味の良いトマトを作るには土づくりと言われているが、土の中の有効微生物を育てることだと考えている。
(5)収量
10a当たりの生産量はそんなに多くないが、味の良さ(おいしさ)で高単価がカバー出来る状況である。
(6)被覆資材について
ハウス被覆フイルムとしてソフトソーラーを利用しており、現在 3作目になる。果色がよく出ており、ハウス被覆フイルムとしては非常に良好である。今年も 4棟、ソフトソーラーに張り替えたが良好である。次の張替えは全部ソフトソーラーにしたいと考えている。
| 司会 |
果実の色が深い橙赤色になることはおいしいトマトのシンボルである。他方、ピンク色のものは味が悪く光線不足である。柳沢さんのトマトは濃い橙赤色で被覆資材ソフトソーラーの散乱光の効果が高いと考えられる。 |
みかど化工(株) 江上常務 ソフトソーラーについて
散光フイルムでトータルの光の量はスーパーソーラーと変わらない。光を有効に利用出来るフイルムである。当初、ホウレンソウ、コマツナなどの葉菜類をねらった。その後、実用試験を重ねるにつれて、エダマメ、トマト、イチゴ栽培にも有効且つ良好であり、栽培実績をあげている。
ハウスを密閉してフイルム内面に水滴が出来ると透明になり、換気して乾くと散光になる性質を有する。
(7)都市農業の方向および考え方、(柳沢さん)
都市化の中での生産は消費者がすぐ近くに居るので、直接消費者との対話が出来、消費者ニーズも分かり、ニーズへの対応も迅速に出来る。都市化を良い方向に利用して、周囲(消費者)と上手に付きあって行けば消費者との共存共栄が出来ると考えている。現在は苦情もなく、周囲とうまくやっている状況である。
(8)Q&A
| Q. |
黄化葉巻病対策は |
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A.コナジラミ類はいないので現在これといった対策はしていない。但し、ハウス周辺の雑草は取り除く努力をしている。なぜコナジラミ類がいないのかは不明である。 |
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| Q. |
品種に関して、「サンロード」はどうか |
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A.品種に関しては少しずつ試験をしているが、現状、適度の酸味が必要と考えているので「桃太郎」が一番良いと考えている。「サンロード」は味の濃さ、および軟らかくなりすぎる点でやや不満である。 |
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| 司会 品種について、山口さん(鴨川市)如何ですか |
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A.「桃太郎」を 2〜3年栽培した。食味は良いが、収量が少なくて且つ作りにくい。 |
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| 司会 食味について,ミニトマト、大玉トマトを栽培している大木さん(匝瑳市)は如何ですか。 |
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A.トマト栽培 20年以上になるが、現在は外食産業に納入している。トマトは食味が重要であり,どうしたらおいしいトマトが出来るか苦労している。食味に対する要因はいろいろあると思う。現在は、根の発達を重要視して,断根定植とかポット定植栽培とか種々行っている。抑制された根が土の中に入るとより力強くなるのではないかと考えている。これが食味にも影響するのではないか、根の力が必要と考えている。 |
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| Q. |
太陽熱消毒(ふすまによる土壌還元消毒)の期間は |
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A.期間は通常一ヵ月と言われているが一ヵ月は待てない。晴れの日が 1週間続けば 3週間で十分と考えている。 |
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| Q. |
スーパー契約について |
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A.スーパーの社長が地元の知人なので価格はトータルで収支バランスが取れれば良いと考えている。相互に話し合い、市場の価格をみながら決める。 |