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野菜などの硝酸塩の含有状況
 
 消費者の食品の安全性および健康に対する関心が高まっています。 なかでも使用農薬に関しては使用基準がきちんと定められるとともに、チェック機能も基準化され、かなり関係者の信頼度が高まっています。
しかし、一方、肥料の使用状況に関しては、不十分な面が多いのが実情です。 とりわけ農作物が含有する硝酸塩については作物毎に極めて大きな較差が認められています(図参照)。 もともと畑作物の栄養源としての窒素成分の大部分は硝酸態窒素であることから、施肥量や土壌環境によって作物の吸収量が大きく変わります。 加えて、作物の種類によって、利用部分が異なることから硝酸塩の含有量に大きな差が発生します。
こうした作物の硝酸塩の含有量が高いと健康を阻害する心配が叫ばれ欧米では、すでに2500ppm〜3000ppm以上の高濃度の食物を摂取することに忠告をしています。 こうした観点から図に示した作物毎の硝酸塩の含有状況を見ると、コマツナ、ホウレンソウ、レタス、サラダナ、セロリ、ダイコン、などは含有量が極めて高く、とくに、葉身に比べて葉柄部分が高いことが認められています。反面、サツマイモ、ニンジン、アスパラガス、エダマメなどは含有量が少ない作物と言われています。このほかトマト、キュウリ、ナス、およびリンゴ、モモ、ミカン類も少ないものです。
こうした現象は、根部から吸収された硝酸態窒素が茎や葉柄に蓄積された後、葉身部分で光合成作用およびその他の合成作用により蛋白質、でんぷん、糖分などの原料として消費されます。 その後、果実部分や塊茎部分に多様な成分として蓄積された結果だと考えられます。
ホウレンソウやコマツナなどのように硝酸塩の含有量の多い作物については、湯でこぼすなどして含有量の低減操作をすることが必要だと言われています。 さらに栽培に当たっては過剰な施肥をさけることが大切です。

 
特別講演
最近問題となっている園芸作物の重要病害虫の発生と防除対策
千葉県農業総合研究センター
病理研究室長 竹内妙子先生
スーパーソーラー研究会総会がサンライズ九十九里を会場として開かれた。特別講演として竹内妙子室長から前記の演題についてお話を頂きました。
主な内容は全国的にも話題性が大きく、県内でも被害が増大しているトマトの黄化葉巻病(TYLCV)および黄化えそ病(TSWV)についてでした。以下、講演の概要を記してご参考に供したいと思います。

1、黄化葉巻病(TYLCV)
 黄化葉巻病はシルバーリーフコナジラミ(タバココナジラミ)によって媒介されるウイルス病です。わが国では1996年に長崎県、愛知県および静岡県で初めて発生が認められ、2004年から2007年に関東以西の地域で発生し、合計31都府県に拡大しています。
 ウイルスは、もともとイスラエル系統によるもので、分化して静岡系統と長崎系統の2種類が認められています。静岡系統のウイルスはトルコギキョウに感染するが長崎系統は感染しないという差異が認められています。発生はほ場で両者が混在していることが多いといわれます。
 トマトが感染すると初めは生長点近くの若葉が黄化、萎縮して硬化し、生育が遅れ、着果および果実の肥大が急激に劣ってきます。次第に、葉は奇形となり黄白色のまだら状となります。果実も時として黄斑症状を示し異常着色が認められ商品性が著しく低下します。
 感染は、コナジラミが発病トマトに寄生し、汁液を一旦、吸汁するとコナジラミの体内に終生、ウイルスの毒性を保有し続けます。伝染はコナジラミの寄生吸汁によるのみで、経卵伝染、接触伝染および種子伝染することはありません。また、他の昆虫類による媒介もありません。
 黄化葉巻病の発生は購入苗および自家育成苗ともに多発しています。一旦、トマトが感染すると、ウイルスの潜伏期間は0〜2か月間といわれています。発生は害虫の活動の活発な6月〜10月の時期に著しいといわれます。
 防除対策は、先ず、健全苗の確保が大切です。このため、育苗ハウスは目合い0.4mm以下の防虫ネットを展張します。0.6mmでは駄目だと言われています。さらに近紫外線除去(UVカット)フイルムの展張および黄色テープの設置などによりコナジラミのハウス内への侵入および活動を抑制します。次は、発病株の早期発見と処分で病源を除去すること、さらに、殺虫剤による駆除が必要です。
 栽培ほ場でも同様の作業をきちんと行うことが大切です。栽培の終了したハウスの病源を除去するため、ハウス内の蒸しこみによるコナジラミの駆除を徹底することも必要です。
 また、黄化葉巻病抵抗性品種が販売されていますが、十分な抵抗性を保有したものでないため、試作した各地で発病が問題となっております。過信せず、一般品種と同様、十分な防除対策が大切です。
コナジラミは雑食性で寄生植物が極めて幅広いものです。従って、栽培ハウスの周囲の雑草除去など衛生管理にも注意することが大切です。

2、黄化えそ病(TSWV)
 黄化えそ病はミカンキイロアザミウマ、ミナミキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマなどのアザミウマ類によって媒介されるウイルス病です。わが国では、1965年に初めて認められ、1972年に奈良県のトマトで、1974年、神奈川県のトマトで発生し、千葉県では1995年〜1996年にトマトおよびピーマンで発生し、野菜および花き類で増加しています。
 トマトが感染すると、葉では褐色のえそ斑点または輪紋、茎や葉柄ではえそ条斑が発生します。さらに症状が激しくなると生長点付近の黄化、萎縮、茎の空洞化、果実の奇形、えそ斑、輪紋および枯死などを生じます。
 感染は虫媒伝染で経卵伝染、種子伝染および土壌伝染はしません。ウイルスはアザミウマ類によって永続的に伝搬され、とくにミカンキイロアザミウマは高い伝搬能力が認められます。アザミウマ類は幼虫期にのみウイルスを獲得し、成虫期には獲得できない特徴があります。
 ウイルスを吸汁によって獲得した保毒虫は約10日間の潜伏期間を経た後にウイルスを伝搬します。保毒虫は終生、ウイルスの伝搬能力を保持するといわれます。
 防除対策は、先ずウイルスの伝染源となるため、圃場周辺に黄化えそウイルスに感染しやすい野菜や草花を植えつけないことが大切です。次に、ほ場周辺の雑草はアザミウマ類の
飛来源およびウイルスの伝染源となるため除草し、ほ場衛生に心がけます。アザミウマ類は花粉を好み、それを餌として増殖するため、草花などをハウス内に持ち込まない。発病株は直ちに抜き取ります。
 さらに、ハウスの開口部には目合い0.6mm以下の防虫ネットを展張します。近紫外線除去フイルムを展張して侵入や活動を抑制します。青色の粘着テープを設置して誘殺することなどが大切です。
 薬剤では、トマトにはアーデント水和剤、ベストガード水和剤およびカスケード乳剤などを利用します。
 また、アザミウマ類はホウレンソウ、シュンギク、レタス、タバコ、トマト、ナス、ピーマン,アズキ、インゲン、ソラマメ、ラッカセイ、タマネギ、ネギなど幅広い作物に寄生するほか、農作物がない場合、寄生可能な周辺雑草や草花などで増殖をくり返します。さらに育苗中に感染した保毒苗やアザミウマ類の寄生した苗も本ぽでの伝染源となります。花き類のような栄養繁殖性の植物では保毒した親株からの挿し芽、球根、株分けなどで増殖した子株にも伝染すると言われています。(文責、青木)

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