BACK
 
東葛地区地域研修会開催される
 
平成19年11月30日(金)、東葛地区の地域研修会として(1)日暮農園(柏市逆井、コカブ栽培)、(2)千葉大学健康フィールドセンター(柏市柏の葉)、(3)広瀬農園(柏市箕輪、スプレー菊栽培)、の現地見学会を行った。
研修会は会員(生産者)、賛助会員(資材メーカー、販売店)、試験研究機関、農林振興センターの先生方、40名の出席のもとで開催された。
参加者は船橋市農業センターに集合し、大型バスに乗車し、それぞれの研修先を巡回し、予定時間の午後4時に同センターに帰着し、解散した。
地域研修会開催に当たっては、千葉大学園芸学部北条准教授、東葛地区農林振興センター小太刀先生、スーパーソーラー研究会日暮理事、広瀬農園広瀬孝氏、船橋市農業センター岩沢所長等各位の甚大なる御協力があり感謝申し上げます。
 
T、日暮農園、『コカブ栽培』(柏市逆井19、 日暮裕二氏)
 
1、はじめに
 この地区はコカブの大産地であり、コカブは都市農業でも、コマツナ、ホウレンソウに次いで重要な品目である。(青木常任顧問)
 日暮さんは当初、ハウス栽培ではトマト、キュウリ、露地栽培ではコカブ、ダイコン等を栽培していたが、第一次オイルショックの時、燃料が高騰したため、キュウリ、トマトをコカブに切り替えた。現在はハウス、露地ともにコカブが主体で、一部エダマメ栽培を行っている。

2、栽培に対する心構え
 コカブの生産に当たり、品質を重視した栽培管理を行っている。消費者に対しては、生産物の安全に心がけており、生産に使用する農薬(土壌殺菌・殺虫剤、、殺菌剤など)の散布については、安全使用基準を厳守し、しっかり記帳している。

3、出荷
 出荷先はJA東葛ふたば。共選出荷基準に準じて梱包、出荷している。週単位に出荷する量を把握し、安定供給および予定数量については市場との情報交換を行い、指定市場での有利販売に努めている。品質に関しては、担当職員による品質検査は厳しい。他方、担当職員による検査にたよるだけでなく、より厳しく行う自主検査に心がけている。

4、栽培状況
(1)ハウス栽培
 * 栽培延べ面積、60a、年2作
 * 品種、 白涼、万寿
 * 播種、 10/中〜12/上、順次播種
 * 収穫  1/上〜3/中、順次収穫

(2)露地栽培
 * 栽培延べ面積、120a、年2作
 * 品種、 夏の雪、万寿、白涼
 * 播種、 8/中〜10/上、順次播種
 * 収穫  9/下〜12/中、順次収穫

(3)トンネル栽培、(露地栽培の中の一部)
 * 播種、1/中〜下
 * 収穫、4/中〜下

日暮さんの説明によれば今年は残暑が長引いて播種が遅くなり収穫期は例年より遅れた。しかし、生育の状態はハウス栽培区、露地栽培区とも良好な状態と見受けられた。
尚、エダマメ栽培は2月下旬播種、3月上旬定植、6〜7月収穫で行っているとの事。
* 青木常任顧問の補足
コカブは、作物としてはビタミンA,Cが多く、葉にはカルシュウム、鉄分を含有し機能性が高く、健康野菜の代表格である。
* 展張資材
展張資材はスーパーソーラー、ソフトソーラーで4年経過している。
ソフトソーラーについて
東西棟であるが、コカブの生育状態はハウスの場所による差異がなく殆んど均一な状態である。他方、スーパーソーラーに比べて葉が大きくなる傾向はあるが、コカブの品質そのものには問題はない。

 
U、千葉大学環境健康フィールド科学センター
 
見学に入る前に北条准教授より環境健康フィールド科学センターの設立およびテーマ等に関する概要の説明を受けた。

1、千葉大学環境健康フィールド科学センターの概要
平成3年25haの敷地面積で千葉大学園芸学部の付属農場として出発した。平成15年4月に付属農場を全学部で運営することになり、千葉大学環境健康フィールド科学センターが開設された。
「健康に生きる」をテーマに掲げ、東洋医学、環境健康科学、環境園芸学、を主軸とした教育研究の場を作り、知の創造と人材育成を行うとともに、人の心と身体を癒す実践の場を地域とともに作り、社会に大きく貢献することを目標とする多様な活動が展開されている。

取り組み内容
*屋上緑化・壁面緑化 *閉鎖型植物生産システム、 *農産物販売 *技術教育研修
*高度化セル成型苗生産利用システム *ケミレスタウン *園芸療法 *コミュニテイー・スポーツ *東洋医学(漢方・鍼灸) *医食農同源プロジェクト *自然セラピー *環境健康フィールド科学研究室、等の多様な課題に取り組んでいる。
これらの中で、「農産物販売所」、「高度化セル成型苗生産利用システム」、「柏の葉診療所」、「柏の葉鍼灸院」、「環境医学診療科」については現在、事業展開が行われている。

2、見学内容
以上多様な活動のなかで研究会会員に関係ある課題、「高度化セル成型苗生産利用システム」、「閉鎖型植物生産システム」および「技術教育・研修圃場」の見学を行った。

2-1、高度化セル成型苗生産利用システム
野菜苗、花苗を効率よく、大量に生産するシステムを導入し、育苗,定植コストの大幅削減および育苗技術の安定化と高度化を計る教育・研究を実行している。
実習教育を通じて、生産技術のみならず、販売や流通技術についても学ぶことが出来る。高度な技術を備えた実践力のある人材育成を目的としている。

(1)自動化播種ライン
3名以下の補助作業員で効率的な自動運転を行うシステム。野菜10品目以上、花き40品目以上の播種への対応が可能。
 * 野菜: キャベツ、コマツナ、ブロッコリー,ハクサイ、チンゲンサイ、レタス、トマトなど
 * 花き: キンギョソウ、サルビア、トルコギキョウ、ペゴニヤ、ペチュニア、インパチェンス、ビオラ、パンジー、サルビアなど
実績としては花き類の品目が多い。
自動化播種ラインの能力、
対応トレイ: 128/200/288/406/512穴、能力:約500枚/1時間。

(2)自動化移植ライン
3名以下の補助作業員でセル苗をポットに自動移植するシステム。
用土および肥料の配合を自動制御し9cmおよび10.5cmポットへの移植に対応できる。自動化移植ラインの能力: 8000〜10000ポット/1時間
両ラインとも実用と教育実習に対応している。

2-2、閉鎖型植物生産システム
閉鎖環境で温・湿度管理、光照射(蛍光灯など人工光源)、潅水、炭酸ガス濃度、培養液などを自動コントロールし、均質で安全な植物を生産するシステム。
省資源・環境保全的な園芸植物生産を実践出来ると考えられている。基本的には苗生産であるが、このシステムの管理・運用を生かした農業・園芸教育の高度化とともに、安心・安全な高品質有用植物生産も目指している。
室内の炭酸ガス濃度は1000ppmで通常の300〜350ppmに比べて高濃度に維持している。それにより育苗時間の短縮化が図れる。
現在は苗生産が主であり、通常の野菜生産はコスト的に合わない、との事。
室内ではベビーリーフ類、トマト苗、接ぎ木トマト苗などが栽培されていた。すでにナス、キュウリ、トマトなどの苗生産が実用化されているとの事。
尚、基本原理と設計は千葉大学で、「苗テラス」と言う商品名で太洋興業(株)が商品化している。

2-3、技術教育・研修圃場
柏の葉キャンバス内17ha、都市環境園芸農場の見学
施設栽培および露地栽培の圃場を見学

* 施設栽培
栽培の基本は土耕栽培であるが現在の先端を走っている養液栽培を学生の実習と研究の両面を考慮して取り上げたとの事、(北条准教授)。
(1)、ナッパーランド、(養液栽培システムの中の商品名の一つ)
培養液組成の検討および学生の技術取得のための実習
ルッコラ、サラダカラシナ、ホウレンソウ、コマツナ、ミズナなどの軟弱野菜の養液栽培を行っていた。この場合の苗は高度化セル成型苗生産利用システムおよび閉鎖型植物生産システムにより生産しているとの事。
(2)、キュウリの養液栽培
培養液組成の検討および学生の技術取得のための実習。
(3)、トマトの養液栽培
培養液組成の検討および学生の技術取得のための実習。
低段(3段)密植栽培および連続摘心栽培の実習を行っている。
(4)、イチゴの高設栽培
培養液組成の検討および学生のイチゴ高設栽培技術取得ための実習。

* 露地栽培
千葉県で栽培している野菜の栽培技術取得のための実習を行っている。
晩秋~初冬といった季節なので実習圃場の野菜としてはハクサイ、ネギ、ブロッコリー、カリフラワーなどしか見られなかった。各野菜とも生育状態は良好と見受けられた。

2-4、農産物販売所(緑楽来:みらくる)
センターの所有する3か所の農場を利用した学生実習などで収穫された農産物(野菜、果樹、花き)や加工品(ジャム、味噌など)を販売している。近隣住民やセンターを来訪された方々にも大好評で、販売開始後20分間程度で売り切れになってしまう農産物も多くあるとの事。
当日は、ベビーリーフ、ルッコラなどの詰め合わせ及び中玉トマトの詰め合わせについて種々説明を受けた。

 
V、広瀬農園 「スプレーギク栽培」、(柏市箕輪98、広瀬 孝氏)
 
1、はじめに
 スプレーギクは昭和50年頃にイギリスから導入された。現在は定着しており、盛り花に多く使われている。
広瀬さんは平成3年ごろに施設野菜から花き園芸に転向したとの事。現在はスプレーギクの他にストック、フリージアなどの切り花も栽培している。
ハウス面積は1200坪。スプレーギクは周年出荷で栽培してきたが、今年は重油が高騰したため冬作は休むとの事。
生産者5名で東葛スプレーギク部会を作っている。部会(部会長、荒井茂夫氏)は、出荷組合的要素はなく、研究会的要素が大きいとの事。

2、出荷
 出荷は個人出荷。出荷先は柏市、松戸市、東京都の市場に出荷。地元の沼南道の駅および柏市内の直売所にも出荷している。出荷形態は草丈75cmでバケット輸送。

3、栽培状況
今回見学したハウス(300坪)で栽培しているスプレーギクは開花直前の花蕾期の状態であり、9月上旬定植で、12月中〜下旬に出荷を予定しているとの事。
 *  仕立て方、ピンポン仕立(一本立ちして中心の蕾みを大きくする)のものとスプレー仕立(ピンチして二本立ちにする)の2種類。半分はピンポン仕立。
 *  花色:ピンク、黄、白、グリーン、および混色。
 *  品種:ピンポンマムの場合、 フィーリンググリーン(グリーン)、ゴールデンピンポン(黄)スーパーピンポン(白)など
 *  苗:購入苗と自家苗の2種類。
 *  遮光:夏期出荷栽培の場合は遮光を実施するが、他の作型の場合は遮光しない。
 *  栽培のポイント:栽培で特に気を使っているのは苗の選択で、ウイルスのない苗を選ぶことが重要である。
 *  労働力:広瀬さん夫婦、息子さん、広瀬さんのお母さん、の4名、

4、質疑応答
Q-1、 二度切りをしていますか?
A-1、 二度切りは難しいので行っていない。
Q-2、 連作の土壌消毒は?
A-2、 現在、連作障害が発生していないので実施していない。
Q-3、 ハモグリバエの防除について?
A-3、 薬剤散布およびハウス展張資材でカバーしている。UVカットフイルムを展張し、サイドには0.6mm目合いの防虫ネットを展張している。
Q-4、 電照について、
A-4、 電照は定植時から実施している。最近は蛍光灯が多くなった。このハウスは白熱電球を使っている。

当社の全てのフィルムは、農作物栽培現場におけるフィルム劣化促進作用を軽減するために、特許第2138850号に基づいた特殊配合を施してあります。 Copyright Mikado Chemical M.F.G Co. All Rights Reserved.
当ホームページを快適にご利用いただくために、Internet Explorer 5.01以上、Netscape 6以上のブラウザでご覧になることを推奨いたします。